黒部峡谷トロッコ電車に乗って自然豊かなスポット巡りを！宇奈月温泉に泊まろう

黒部峡谷トロッコ電車の出発地であり、雄大な自然とともに清らかなお湯を堪能できる宇奈月温泉は、紅葉シーズンを中心に多くの人が訪れる人気の観光地です。

この記事では、宇奈月温泉の魅力とともに、黒部峡谷トロッコ電車でしか行けない絶景スポットや、秘境感あふれる趣深い日帰り温泉などもご紹介します。

富山県黒部市にある宇奈月温泉は、1923（大正12）年に開湯した歴史ある温泉郷です。透明度が高く、弱アルカリ性で肌に優しいお湯は「美肌の湯」と称され、親しまれてきました。

宇奈月温泉周辺で見られる豊かな自然は、季節ごとに表情を変え、訪れる人の心を楽しませてくれます。清流の美しさが目を引く黒部川に沿って軒を連ねる温泉宿に宿泊すれば、目前に迫る絶景に心を奪われることでしょう。

温泉街には、気軽に楽しめる足湯や、食べ歩きスポットが点在しています。また、人気の黒部峡谷トロッコ電車に乗れる黒部峡谷鉄道「宇奈月駅」も、温泉街からすぐの距離です。

黒部峡谷の旅の出発点でもある宇奈月温泉へ行くには、北陸新幹線「黒部宇奈月温泉駅」で下車し、歩いてすぐの「新黒部駅」から富山地方鉄道に乗り換えます。終点の「宇奈月温泉駅」を降りれば、湯けむりに包まれた温泉街はすぐ目の前です。

宇奈月温泉には季節ごとに異なる魅力がありますが、特に人気が高くおすすめなのは、紅葉シーズンです。例年10月下旬から11月中旬にかけての見頃には、渓谷を染める美しい紅葉を楽しもうと多くの観光客が訪れます。

黒部峡谷トロッコ電車で紅葉の名所を巡りながら、ときには途中下車し、自然をより近くに感じるのもおすすめです。たっぷりと観光を楽しんだあとに入る温泉は、疲れた体を一段と癒してくれることでしょう。

紅葉の時期は、年間を通して最も混雑するシーズンなので、交通機関や宿泊施設の予約は早めに済ませることをおすすめします。

車窓から気軽に絶景を楽しめる黒部峡谷トロッコ電車は、「宇奈月駅」から「欅平駅（けやきだいらえき）」までの全長20.1kmの区間を、片道約1時間20分かけて走行します。

窓がないオープンタイプの普通客車を選択すれば、自然の風を直接肌に感じながら、眼下に広がる峡谷美を堪能できるでしょう。

ここでは、黒部峡谷トロッコ電車の車窓から望める絶景スポットをご紹介します。

黒部峡谷トロッコ電車の始発駅でもある「宇奈月駅」を出発すると、右手の車窓に現れるのが、宇奈月ダムのダム湖「うなづき湖」です。

黒部峡谷の雄大な自然に抱かれたエメラルドグリーンの湖面は、思わず写真に収めたくなる美しさ。サルのために作られたという吊り橋も珍しく、運が良ければサルが橋を渡る姿を見られるかもしれません。

トロッコの車窓からでも、手に汗握る光景が見られる「後曳橋」は、「黒薙駅（くろなぎえき）」からすぐの場所に位置し、黒部峡谷の支流黒薙川に架かる鉄橋です。

橋から黒薙川の川底まで約60mと、見下ろすとついあとずさりするような険しい深さであることから名付けられました。爽やかな青いカラーリングも印象的で、新緑や紅葉にもよく映えます。

「出し六峰」は、頂が6つに分かれた峰を持つ、特徴的な山並みです。湖面に向かって競うようにそそり立つ姿は、晴天に映えるだけでなく、曇天や雨天のなかでも独特な風情を感じられるでしょう。

「黒薙駅」を過ぎ「出平駅（だしだいらえき）」の手前付近、出し平ダムの奥に見えてきます。

※「出平駅」は、一般の乗客は乗り降りできない業務用の駅です。

黒部峡谷トロッコ電車の駅周辺には、途中下車してでも訪れたい魅力あるスポットが点在しています。自然をより身近に感じられる、おすすめのスポットをご紹介します。

「鐘釣駅（かねつりえき）」で下車してしばらく歩き、階段を下りれば、黒部川の清流が美しい「鐘釣河原」に出られます。

木陰に座って清涼感のあるせせらぎに耳を傾けたり、手足を浸して水遊びを楽しんだり、過ごし方はさまざまです。天然の温泉が湧き出るため、石を集めて即席の露天風呂を作るのも楽しいでしょう。

大自然のなかで思い思いにのんびり過ごせば、時間を忘れてリフレッシュできます。

国内で2ヵ所しか存在しない、特別名勝と特別天然記念物の両方に認定されている観光スポットでもある「猿飛峡」。

サルが飛び越えたとされる狭い川幅と、両岸に迫るダイナミックな断崖が特徴的です。深く険しい谷間を流れる美しい渓流は、一見の価値があるでしょう。

「猿飛峡」は、トロッコ電車の終点「欅平駅」から徒歩圏内です。駅から続く猿飛峡遊歩道の途中では、トロッコ電車の車窓からは見られない癒しの景観が楽しめます。

「奥鐘橋」は、「欅平駅」から名剣温泉（めいけんおんせん）、祖母谷温泉（ばばだにおんせん）方面に歩くと見えてくる、黒部川本流にかかる橋です。34mの高さから、山々に囲まれた深い渓谷美の絶景を望めます。

趣ある朱色の橋は、春夏の山に鮮やかに映え、紅葉シーズンには周囲に溶け込むような姿を見せてくれるでしょう。

黒部峡谷には、宇奈月温泉街以外にも魅力ある温泉スポットが充実しています。宇奈月温泉街から足を延ばし、個性あふれる秘境の温泉で日帰り入浴を楽しんでみてはいかがでしょうか。

ここでは、黒部峡谷トロッコ電車で行ける、日帰り入浴も可能な温泉施設をご紹介します。

黒薙温泉旅館は、トロッコ電車「黒薙駅」から山道を抜けてたどり着く秘境、黒部峡谷最古の黒薙温泉を堪能できる一軒宿です。宇奈月温泉郷の源泉に隣接し、3つの風呂を備えています。

トロッコ電車の終点「欅平駅」に近く、猿飛遊歩道の入口付近に建つ「猿飛山荘」。

男女別の露天風呂がそれぞれ1つあり、原生林に抱かれたダイナミックな景観を楽しめます。散策の途中でふらりと立ち寄れる便利な立地も、うれしいポイントです。

「欅平駅」から奥鐘橋を渡り、祖母谷川沿いを進んだ奥地にあるのが「名剣温泉」です。

日帰り入浴で利用できるのは、峡谷を一望する岩の露天風呂。滝の音も聞こえてくる壮大な自然のなかで、身も心もほぐれてゆくのを感じられるでしょう。

宇奈月温泉は、特に人気の高い紅葉をはじめとする、四季折々の景観が美しい温泉郷です。雄大な峡谷を流れる清流のように透明度が高く、肌に優しい温泉に浸かれば、日常を忘れる贅沢なひとときを楽しめます。

宇奈月温泉から黒部峡谷トロッコ電車に乗って、車窓に広がる表情豊かな絶景を眺めたり、宇奈月温泉街とは趣の異なる秘境の温泉地を訪ねたりするのもよいでしょう。

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