富山を車なしで観光する1泊2日のモデルコースとおすすめの宿泊施設7選

北陸地方に位置する富山県。富山県といえば、立山連峰や黒部ダムなど、自然に関するスポットが人気のエリアです。もちろんそうしたスポットもおすすめですが、富山県にはそれ以外にもたくさんの観光スポットがあります。

 今回は、富山県のおすすめ観光スポットを列車で巡る、1泊2日のモデルコースをご紹介します。1日目は自然豊かな温泉街の「宇奈月温泉」、2日目は遊覧船や地元グルメを楽しめる「富山駅」周辺を巡るプランです。

さらに、モデルコースに沿って観光するにあたりおすすめの宿泊施設も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

富山県は、新鮮で美味しい海産物・海と山に囲まれた豊富な自然・合掌造り集落に代表されるような歴史的な建造物など、観光地として魅力が豊富。

山岳観光として人気の立山黒部アルペンルートといったアウトドアを楽しめるスポットもあり、各エリアごとに特徴はさまざま。観光の際には、どのエリアを訪れるかをあらかじめ考えておいた方がよいでしょう。

上述したように、富山県は各エリアに特徴的な観光スポットがあるため、モデルコースを参考にしてどこを巡るのかを事前に考えておくことが大切です。今回のモデルコースは、1泊2日で宇奈月温泉と富山駅周辺を巡るプランです。

1日目は、以下の順番で宇奈月温泉周辺の名所を巡ります。

自然豊かな温泉街で、素敵なひとときを過ごしてください。

「宇奈月温泉駅」は、ホーム上に足湯が設置してある珍しい駅です。足湯は駅の中からでも外からでもアクセスできるので、列車の待ち時間や歩き疲れたときに利用できます。

お湯の温度は約40度で、宇奈月温泉の源泉黒薙（げんせんくろなぎ）より引いた湯を使用しています。手湯もあり、温かいお湯に手を入れるだけでもリラックスできるでしょう。

足湯に浸かっていると、宇奈月の風景と列車がホームに入ってくる様子を眺められます。トロッコと富山地方鉄道のレトロな列車を同時に見られるので、列車好きの方にもおすすめです。

「黒部川電気記念館」は、宇奈月温泉駅のすぐ近くに位置する記念館です。黒部川の電源開発や、黒部峡谷の自然と水力発電に関する展示が行われています。

2023年のリニューアルオープンにより、新たな魅力が加わりました。迫力ある映像やジオラマを通じて、黒部峡谷の自然や電源開発の歴史、水力発電の仕組みがダイナミックに紹介されています。

さらに、黒部川水系に関するさまざまな情報を、参加型クイズ形式で楽しく学べます。入館は無料なので、宇奈月温泉駅に到着した際にはぜひ立ち寄ってみてください。

「セレネ美術館」は1993年、黒部峡谷の玄関口である宇奈月温泉郷に誕生した美術館です。日本の有名な画家7名による黒部をテーマにした作品が展示されており、絵画を通じて黒部峡谷の壮大な自然を感じられます。

館内には黒部の名水で淹れたコーヒーや紅茶、手作りスイーツなどが楽しめるカフェが併設されています。広大な自然を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごせる癒しのスポットです。

また、店内では地元のクラフト作家による作品も展示販売されています。「黒部川電気記念館」から「セレネ美術館」までは、徒歩約3分の距離です。

宇奈月温泉駅のすぐ側には、黒部川が流れています。この黒部川は山間部を流れている川で、絶景と名高い日本一深いV字峡谷・黒部峡谷を作り出しています。黒部峡谷では四季折々の自然が見られるので、季節に関係なく楽しめるでしょう。

また、宇奈月温泉駅のすぐ隣には黒部峡谷鉄道の宇奈月駅があります。この宇奈月駅からは、黒部峡谷を走るトロッコ電車に乗ることができ、終点の欅平駅（けやきだいらえき）まで約80分の旅路です。（冬季は運休）

往復する場合は東京駅の出発時間や、訪れるスポット数を調整したり、2日目に富山駅に移動せずにトロッコ電車をメインにしたりすれば存分に楽しめます。「セレネ美術館」からトロッコの乗車駅である宇奈月駅までは、徒歩約2分の距離です。

※2024年4月現在、トロッコ電車は能登半島地震の影響で、猫又駅までの運行となっています。欅平駅までの全線開通は2024年10月1日頃の予定です。

もちろん、宇奈月温泉も人気のスポットです。宇奈月温泉は黒部峡谷の玄関口にある温泉で、富山県でも随一の規模を誇る温泉街です。源泉は黒部川の上流にある黒薙温泉（くろなぎおんせん）で、源泉温度が非常に高いのが特徴。体の芯から温まることができるでしょう。泉質は弱アルカリ性の単純温泉で、肌に優しい温泉です。

温泉と絶景を堪能したあとは、富山県の中心部である富山市へ。

ここでは、富山駅周辺の観光地を巡るモデルコースを紹介します。2日目は、以下の順番で富山の名所を巡ります。

宇奈月温泉駅から富山駅までは、列車で約90分の距離です。1泊2日で両エリアを楽しめるプランなので、ぜひ参考にしてみてください。

「富山駅」は全国で唯一、新幹線高架下を路面電車が縦断する珍しい駅です。駅構内に路面電車が入ってくる様子は普段見慣れない光景なので、鉄道ファンが集まる駅としても知られています。

駅に到着後は、地元の人気グルメである「ブラックラーメン」を味わってみてはいかがでしょうか。濃厚な醤油ベースの真っ黒なスープは、味も見た目もインパクト抜群です。

富山駅周辺はもちろん、駅構内にも「ブラックラーメン」を提供しているお店があります。駅構内や駅を出てすぐにランチを楽しみたいという方にもおすすめです。

富山城は、かつて周辺を治めていた神保氏（じんぼうし）や佐々氏（さっさし）、前田氏などの居城となっていました。側を流れる神通川（現在の松川）の流れを防衛に活用していたことから、水に浮く城「浮城（うきしろ）」とも呼ばれていました。

現在は廃城となり、周辺一帯を含めて富山城址公園として整備されています。一説では、瀧廉太郎（たき　れんたろう）作曲の「荒城の月（こうじょうのつき）」の着想の元になったといわれています。

花見スポットとしても人気の公園で、春には多くの花見客が訪れます。お堀の水面に映る桜が美しい他、松川では船から桜を見ることもできます。

「松川遊覧船」は、ゆったり松川を運航する遊覧船です。個性豊かな船長達が、約30分の船旅で地域の歴史や風景を案内してくれます。

出発地点は、「富山城址公園」内に位置する「松川茶屋」です。春には桜のトンネル、夏には新緑、秋には紅葉、冬には雪景色を眺め、四季折々の景色を楽しめます。

船旅のあとは「松川茶屋」で甘味や軽食を味わい、ほっと一息つきましょう。

※能登半島地震によって被害を受けた箇所の本格復旧工事開始後（2024年夏頃から予定）は、運休となる見込みです。最新の運行状況は公式サイトをご確認ください。

富山市内でアートを楽しむなら、富山市ガラス美術館がおすすめです。富山市ガラス美術館は、複合施設であるTOYAMAキラリの中にあります。

この施設でまず目を引くのが、特徴的な外観。外観は御影石（みかげいし）・ガラス・アルミといった異なる素材の組み合わせによってできていて、その姿は立山連峰を連想させます。世界的な建築家「隈研吾（くま　けんご）」氏が手がけたというのも納得です。

美術館は1階から6階まであり、常設展示や企画展示など、現代グラスアートを中心とした展示が行われています。富山ゆかりの作家の作品や現代グラスアートの巨匠の作品など、その種類もさまざまです。

「富山城址公園」から「富山市ガラス美術館」までは、徒歩約10分とアクセスしやすい距離にあります。

時間に余裕のある方は、富山市内を流れる富岩運河を囲むようにして整備された富岩運河環水公園に足を運んでみてください。運河沿いに広がる開放的な芝生広場や散策道、噴水広場など、ゆったりと過ごせるように設計されています。

公園のシンボルとなっている天門橋（てんもんきょう）からは、立山連峰の雄大な姿も望めます。1年を通して夜間のライトアップが行われているので、夜に訪れた際には普段とは違った幻想的な公園の姿が見られるでしょう。また、花火やイルミネーションといったシーズンごとのイベントも開催されています。

「富山市ガラス美術館」から「富岩運河環水公園」までは、バスを利用して約20分で行けます。まず、「富山市ガラス美術館」から徒歩約3分の場所にあるバス停「西町」で乗車し、バス停「富山県美術館」で降り、徒歩約1分で到着します。

ここでは、1泊2日のモデルコースで紹介しきれなった高岡エリアの名所である「高岡大仏」と「高岡山瑞龍寺（たかおかさん　ずいりゅうじ）」について紹介します。歴史と文化を感じられる人気スポットなので、旅行プランに組み込む際の参考にしてみてください。

高岡市のシンボルともいえるのが、高岡大仏です。諸説ありますが奈良の東大寺の大仏、鎌倉の高徳院の大仏と並び、日本三大仏に数えられることもあります。始まりはおよそ800年前に作られた木造大仏だといわれていて、現在の銅製の大仏は1907年から26年かけて作られました。

高岡大仏は何度も荒廃や焼失の危機にあってきましたが、その度に再建を繰り返している街の人々から愛される存在です。とても優れた造形をしていて、日本一の美男ともいわれています。

高岡山瑞龍寺は、かつて北陸一帯を治めていた大名前田家の2代当主前田利長（まえだ　としなが）の菩提寺として建立されました。加賀百万石ともいわれる財力を駆使して作られた豪壮な寺院で、当時の加賀藩の隆盛ぶりを実感できるでしょう。

1997年には、山門・仏殿・法堂が国宝に指定されました。また、総門や禅堂、大庫裏、大茶堂、回廊三棟が重要文化財に指定されていることもあり、禅宗の寺院建築としても高い評価を得ています。

ここでは、1泊2日のモデルコースで紹介しきれなった氷見エリアの観光スポットを紹介します。

氷見市では、富山湾の自然やグルメが楽しめます。富山湾に面した海の街、氷見市をぜひ訪れてみてください。

高岡市から氷見市にかけて、北側は富山湾に面しています。この海岸線には国定公園に指定されている雨晴海岸や氷見海岸があり、絶景ポイントとして高い人気があります。その美しさから、白砂青松百選（はくしゃせいしょうひゃくせん）や日本の渚百選に選ばれています。

中でも人気なのが、海越しに望む立山連峰。昼間でもその雄大な姿は圧巻の一言ですが、最もおすすめなのは朝日や夕日の時間帯。立山連峰から顔を出す朝日や、夕日で一帯が黄金色に染まる様子は、まさに絶景です。

氷見市内には富山湾の海岸線を中心に、いくつかの温泉が点在しています。これらの温泉をまとめて、氷見温泉郷と呼ばれています。氷見温泉郷の泉質はナトリウム塩化物泉で、切り傷や火傷、婦人病などに効能があるといわれています。また、しっとりとした肌になることから、美人の湯としても人気です。

また、氷見温泉郷からは富山湾の絶景も眺めることができます。世界でもなかなか見られない風景といわれる海越しの立山連峰も見られるので、身も心もリフレッシュできるでしょう。

氷見市は、富山湾で獲れる新鮮な海産物が有名な街。特に寒ブリは、氷見を代表する名産品です。そんな新鮮な海産物が食べられるのが、ひみ番屋街です。ひみ番屋街は富山湾に面した氷見漁港の場外市場で、氷見市の観光・食・産業の中核となっています。

ひみ番屋街では氷見漁港で獲れた新鮮な海産物や、それらを使った料理、氷見の地元グルメである氷見うどんや氷見カレーなど、さまざまな食事が楽しめます。海産物やその加工品などの販売も行われているので、お土産にもぴったりです。

ここでは、宇奈月温泉駅と富山駅周辺の宿泊施設を紹介します。

駅から、5分前後でアクセスできる宿泊施設を厳選しました。富山で1泊2日の観光を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

※記事で紹介している宿泊施設のサービスなどは変更になることがあります。最新情報はプラン詳細ページや施設公式サイトなどをご参照ください。

「黒部・宇奈月温泉　やまのは」は、湯量豊富な宇奈月温泉を満喫できる旅館です。特に、露天風呂からの眺めが素晴らしく、黒部峡谷や新山彦橋などの雄大な景色を楽しみながら温泉に浸かれます。タイミングが良ければ、トロッコ電車が橋を渡る光景も見られるかもしれません。

また、川側の客室からも、お部屋によって四季折々の黒部川の絶景を楽しめます。スタンダードな和室や広々とした和洋室などが用意されており、ニーズにあわせて選択できるのが魅力の1つです。

カフェラウンジではドリンクサービスも用意されているので、黒部川の景色を眺めながらリラックスしましょう。

「ホテル黒部」では、「美肌の湯」として知られる宇奈月温泉を大浴場と露天風呂で楽しめます。開放的な露天風呂からは、黒部峡谷や四季の景色を眺められるのが特徴です。

また、各部屋からは特色のある眺めが一望でき、テレビ番組などのロケ地としても親しまれています。お部屋は、黒部峡谷の絶景が目の前に広がる客室やトロッコが走る様子が見られる客室など、選択肢が豊富です。

観光にも便利で、「やまびこ遊歩道」までは、ホテルから約7分で到着します。遊歩道からは黒部峡谷に架かる赤い橋「山彦橋（やまびこばし）」が望めるので、ぜひ訪れてみてください。

24時間利用可能な大浴場があり、岩風呂と御影岩風呂の2つのタイプを楽しめます。貸切風呂も大変人気で、眼下に黒部川を望みながら源泉かけ流しの湯をプライベートな空間で楽しめます。

客室は和室が中心で、落ち着いた雰囲気のなかで贅沢な時間を過ごせるでしょう。黒部川を望める客室が多く、旅の疲れを癒せます。

朝食には、富山県内産の新鮮な食材をふんだんに使用しています。おいしい富山の水や地元農家のお米など、こだわりの朝ごはんをぜひ味わってみてください。

「ホテルヴィスキオ富山　ｂｙ　ＧＲＡＮＶＩＡ」は、富山駅の目の前に位置する便利なホテルです。駅近なので観光地へのアクセスもスムーズで、併設された複合施設「マルート」でのショッピングも楽しめます。

5階には大浴場が備えられており、旅の疲れをしっかりと癒せます。男性用にはドライサウナが、女性用には高品質のアメニティが完備されているのも魅力の1つです。

朝食は、ホテル自慢のスタンダードな洋食メニューに加えて、富山の食材や旬の食材を使用した郷土料理など、約60品のバラエティ豊かなメニューが提供されます。宿泊者専用のラウンジでは無料でコーヒーや紅茶を提供しているなど、うれしいサービスも充実しています。

富山駅前に位置し、観光の拠点として非常に便利なホテルです。例えば、「松川遊覧船乗り場」までは歩いて約10分でアクセスできるので、気軽に遊覧船に乗船できます。

客室はナチュラルカラーを基調とし、使いやすさを考えた機能的な空間です。女性専用の部屋では、エクササイズチェアやナノスチーマーなどが完備され、女子旅にもおすすめです。

朝食は、和洋のブッフェまたは、富山の珍味を中心にした富山御膳のどちらかを選べます。ブッフェは15階のスカイレストランで提供され、立山連峰の壮大なパノラマを眺めながら食事ができます。

富山駅から、わずか徒歩約2分という抜群の立地に位置するホテルです。次世代型路面電車がホテルの目の前を通り、普段なかなか見られない光景が楽しめます。

客室は温かみのある照明が心地よく、セミダブルからスイートまで幅広いタイプが揃っています。居住性と機能性を重視した快適な空間で、旅の疲れを癒してください。

朝食は、和定食または洋定食から選べます。

朝食は10階にあるレストランで、和・洋の定食から選べます。サラダやパンは食べ放題なので、朝からしっかりとエネルギーチャージができるでしょう。

客室は、シングルからツインルームまで幅広く用意されています。最大5名まで宿泊可能な和洋室には、ベッド2台と布団3組が用意されており、グループ旅行に最適です。

また、11階には開放感のある大浴場が完備されています。大きな窓からは富山の夜景を一望でき、贅沢な時間を過ごせます。

富山県は各エリアに特徴的な観光スポットが点在しています。特に、宇奈月温泉エリアは人気の観光地であり、日本一深いV字峡谷である「黒部峡谷」などの絶景を楽しめます。

また、富山の玄関口である「富山駅」周辺には、四季折々の景色を眺めながら船旅ができる「松川遊覧船」などがあるのが特徴です。モデルコースを参考にすることで、1泊2日の限られた時間でもスムーズな旅行プランを立てられます。

びゅうトラベルでは、宿泊施設と新幹線の予約を一括でできる「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」を提供しています。JR東日本びゅうダイナミックレールパックでは、東京駅と富山駅間の往復新幹線とホテルを予約することも可能ですが、往路は東京駅から黒部宇奈月温泉駅、復路は富山駅から東京駅のように、「行きの着駅」と「帰りの発駅」を異なる駅に設定可能です。手配が簡単で旅の計画をスムーズに進められるので、ぜひご活用ください。