渋温泉街で九湯めぐりをしよう！地獄谷野猿公苑でお猿さんにも会える！？

さまざまな泉質の温泉や、風情ある温泉街の街並みを楽しむなら、渋温泉へ足を運んではいかがでしょうか。渋温泉は、湯田中渋温泉郷にある温泉街の一つで、湯田中温泉の隣に位置しています。

今回は、渋温泉の魅力や温泉街で楽しめる九湯めぐり、観光スポットについてご紹介します。

渋温泉へは、北陸新幹線停車駅である「長野駅」から長野電鉄に乗車し、「湯田中駅」を下車後、バスまたはタクシーでアクセスできます。バスを利用する際は、「渋温泉入口」もしくは「渋温泉和合橋」のいずれかの停留所で下車します。

渋温泉には9つの外湯（共同浴場）があり、渋温泉に宿泊すると九湯めぐり（厄除巡浴外湯めぐり）を楽しめます。渋温泉の各宿泊施設で貸し出される共同浴場用の専用鍵を持って、温泉街へ繰り出しましょう。九湯をすべてめぐると、「九（く）」にちなみ「苦労を流してご利益を授かる」といわれています。

宿泊施設などで販売されている「巡浴手ぬぐい」を購入すれば、スタンプラリー感覚で各外湯のスタンプ集めも楽しめます。

渋温泉にある9つの外湯を順に見ていきましょう。

※渋温泉の九湯めぐりは渋温泉の宿泊者のみ利用可能です。

※九湯めぐりにおける外湯の利用可能時間は6:00～22:00となります。

※渋温泉に宿泊をしない場合は、事前に入浴券を購入したうえで、九番湯のみ利用可能です。

九湯めぐりの一番湯「初湯」は、渋温泉街のほぼ中心に位置しています。かつては僧の行基が托鉢の鉢を洗ったことから「鉢湯」と呼ばれました。塩分などのミネラルを多く含む弱酸性のお湯は、浴室の床に色がつくほどの濁り湯で、うっすらと金気臭があります。別名「胃腸の湯」とも呼ばれています。

一番湯から湯田中駅方面へ進み、右手にあるのが二番湯「笹の湯」です。この名称は、笹やぶから温泉が湧き出ていたことに由来して名付けられたと伝えられています。源泉が熱めのお湯のため、入浴時は水を使って湯温を調節し、好みの温度で入浴しましょう。別名「仕上げの湯」と呼ばれています。

三番湯「綿の湯」は九湯のなかで最も西側に位置し、一番湯、二番湯、三番湯は順番にめぐれる並びとなっています。伝統的な木造建築の外観や、古風でシンプルな浴室での入浴を楽しみましょう。「綿の湯」の由来はおできの「わたわた」が取れることからきたようですが、白い湯花が豊富に漂うのも「綿」の名を彷彿とさせます。

三番湯から大きく東に進み、外湯が並ぶ大通りを南に一本逸れた場所に位置するのが四番湯「竹の湯」です。地獄谷から管を使い、源泉を引き込んだ際にこの名が付けられました。大きめの湯船で、さっぱりとしていてやわらかいお湯を堪能しましょう。

四番湯から東に数メートル進んだ先にあるのが五番湯「松の湯」です。九湯のうち最も東側に位置し、付近には横湯川が流れています。地元民にもよく利用される松の湯は、「あなたを待つ」に由来して名付けられたといわれています。広い湯船を囲むように三方がタイル張りになっており、開放感のある空間で入浴できます。

五番湯から北に向かう細道を進み、大通りを左に曲がってすぐ右手に見えるのが六番湯「目洗いの湯」です。かつて目の病を抱える多くの人がこの湯に癒されたと伝えられています。湯船の底をかき混ぜれば大量の黒い湯の華が舞い、その泉質の良さがうかがえます。肌がきれいになるとされ、「美人の湯」と称されているのも特徴です。

六番湯から大通りを西に進み、右手に見えるのが七番湯「七操の湯」です。外傷や病気の快復期に7回の入浴でそれらから全快するとされたり、7つの病にこの温泉が良いといわれたりと、7にまつわる謂れ（いわれ）を持ちます。六番湯に似た泉質で、黒い湯の花の舞う無色透明のお湯を楽しめます。

七番湯から大通りをさらに西に進み、右手にある小さな温泉施設が八番湯「神明滝の湯」です。かつては滝のような打たせ湯に癒される人もいたと伝えられています。裏山の神明山から引かれる源泉は淡く濁った酸性寄りのお湯で、独特の金気臭を持ちます。板を使って少しずつ給湯される小ぶりの湯船で、鮮度の高い温泉を堪能しましょう。

八番湯から大通りを西に進み、通りを一段降りた場所にあるのが九番湯「大湯」です。渋温泉街の中心に位置し、宿泊客だけでなく日帰り客も多く訪れます。九湯めぐりの総仕上げとなるため、結願をこめてゆったりと入浴するのがおすすめです。

2つに分かれた湯船で好みの温度を探しながら、鉄分が豊富な茶褐色の温泉を堪能しましょう。

また、大湯では、源泉の湯気を使った蒸し風呂を、屋上では足湯も楽しめます。

渋温泉に宿泊せずに渋温泉観光をする際は、この九番湯のみ利用可能です。渋温泉旅館組合事務所などで事前に入浴券を購入しましょう。

※購入券での入浴可能時間は10:00～17:00（月、水、金曜日は13:00～17:00）となります。

※足湯処の利用可能時間は8:00～22:00となります。

渋温泉街には食堂や寿司屋、居酒屋などの飲食店が多く存在します。地元食材を使った料理や手打ち蕎麦、海鮮和食やラーメンなどさまざまな料理を楽しめるため、街歩きをしながら気になるお店へ立ち寄ってはいかがでしょうか。渋温泉に複数ある菓子店ではできたての温泉まんじゅうを食べられます。

渋温泉の周辺観光に、ニホンザルを観察できる地獄谷野猿公苑へ足を運んではいかがでしょうか。園の内外には柵や檻がなく、野生のニホンザルが自由に行動しています。冬はニホンザルたちが温泉に浸かる珍しい光景を観察しましょう。

なお、野生のサルのため、日によっては営業時間内でも公苑に現れない場合もあります。サルの出没情報については公苑のTwitterにて情報が公開されているので、訪れる際には事前にチェックすることをおすすめします。

渋温泉街から地獄谷野猿公苑へは、タクシーや徒歩、または宿泊施設の送迎バス（※）を利用してアクセスできます。冬季は渋温泉から地獄谷駐車場に続く道が封鎖されるため、12月から3月は横湯川を渡った先にある上林温泉からのアクセスとなります。

※送迎バスの有無は宿泊施設により異なります。

温泉街の散策をつうじてさまざまな泉質の温泉に入浴できる渋温泉では、心ゆくまで温泉を堪能する癒しの旅行が叶うでしょう。適度に休憩を挟みながら、九湯めぐりや街歩きを楽しみましょう。また、温泉旅の合間には「地獄谷野猿公苑」に行くのもおすすめです。サルたちの日常を間近で感じたり、冬場には温泉につかっている様子を見たりすることができます。

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