秋田県を代表する2つの観光地、「角館(かくのだて)」と「田沢湖」。黒板塀の武家屋敷が続くみちのくの小京都と、瑠璃色に輝く日本一深い湖は、最寄り駅の角館駅と田沢湖駅が秋田新幹線「こまち」で約13分と近い距離にあります。
この記事では、角館と田沢湖を巡る1泊2日の観光モデルコースを紹介します。おすすめの宿もあわせて取り上げるので、ぜひ旅の計画の参考にしてください。
目次
秋田県仙北市にある角館と田沢湖は、それぞれ異なる魅力を持つ人気の観光地です。まずは2つのエリアの特徴と、車なしで巡るための交通事情を紹介します。
角館は、1620年に芦名義勝が新しい城下町づくりに取り組んだことから発展しました。武士が暮らすエリアと商人・職人が暮らすエリアに分けられた町割りは、400年以上たった今もほとんど変わらず残っています。
芦名氏が3代で途絶えたあとは、佐竹北家が明治まで角館を治めました。武家屋敷が並ぶ通りには深い木立や重厚な屋敷が残り、城下町らしい風情を感じられます。「みちのくの小京都」と呼ばれ、桜の名所としても親しまれる街です。
田沢湖は、周囲約20km、面積25.5平方kmのほぼ円形の湖です。最大水深は423.4mと日本一を誇り、深い湖ならではの瑠璃色の湖面と、周囲に広がる四季折々の自然が美しい景色をつくり出しています。
湖畔には、金色のたつこ像や御座石神社などの見どころが点在。遊覧船に乗って湖上から景色を眺めたり、湖畔を散策したりと、さまざまな楽しみ方ができます。季節によって異なる景色に出会えるのも田沢湖の魅力です。
東京駅から角館駅へは、秋田新幹線「こまち」で乗り換えなしで到着します。列車によって異なりますが、所要時間はおよそ3時間10分です。朝に東京を出発すれば、お昼頃から角館の町歩きを楽しめます。
角館駅と田沢湖駅の間も「こまち」なら約13分、在来線の田沢湖線を使っても約20分。ただし在来線は本数が限られるため、出発前に時刻を確かめておくと安心です。
1日目は、歴史ある町並みが残る角館を歩いて巡ります。角館駅を出発し、田町武家屋敷通りから角館武家屋敷通りへと進みながら、城下町の風情を楽しみましょう。
角館に到着したら、駅前の観光案内所「角館駅前蔵」へ立ち寄りましょう。駅舎を出て右側にある白壁の建物で、観光パンフレットや散策マップを入手できます。まずは駅前蔵で行きたい場所やルートを確認してから、角館の町歩きをスタートするとスムーズです。
角館駅から徒歩約7分の田町武家屋敷通りは、秋田藩主・佐竹氏に直接仕えた武士たちが暮らしていた一帯です。今も残る西宮家は、その家臣団の一員だった家で、歴史ある屋敷を眺めながら城下町の面影を感じられます。
西宮家の向かいには、角館出身で新潮社を創設した佐藤義亮をたたえる「新潮社記念文学館」もあります。武家屋敷だけでなく、角館ゆかりの文学や文化にも触れながら、のんびり散策してみましょう。
田町から北へ進むと、角館武家屋敷通りに入ります。江戸時代の城下町の面影を残す一帯で、1976年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。黒板塀と深い木立が続く町並みを歩くだけでも、角館らしい風情を感じられます。
通りは、春の桜や新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と、季節ごとに違った表情を見せます。青柳家や石黒家など、内部を見学できる武家屋敷もあり、当時の暮らしぶりにふれられるのも魅力です。ここからは、公開されている6軒を順に紹介します。
※それぞれの公開期間や見学料金を事前にご確認のうえお出かけください。
小田野家は、今宮家に仕えたのち、佐竹北家に仕えた家です。現在の主屋は1900年の大火後に再建されました。前庭にはモミやモミジ、クマザサなどが植えられ、京都の庭づくりを取り入れた落ち着いた景観が広がります。幕末期の武家屋敷の特徴を今に伝える一軒です。
河原田家は、関ヶ原の戦いのあとに芦名氏の重臣として角館へ移り、その後は佐竹北家に仕えた家です。現在の家屋は1891年に建てられ、4つの部屋を配した主屋には、角館の武家住宅らしい造りが残っています。明治以降も学者や政治家を輩出し、地域の発展に貢献してきました。
岩橋家は、芦名氏の重臣を務め、芦名氏が途絶えたあとは佐竹北家に仕えた家です。屋敷は江戸時代末期に改修され、現在も角館の上級武士の住まいの特徴を伝えています。庭に立つ樹齢300年以上と推定されるカシワの木や枝垂桜も見どころで、歴史ある屋敷とともに当時の面影を感じられます。
松本家は、今宮家に仕えたのち、佐竹北家に仕えて現在の小人町へ移った家です。小人町は比較的身分の低い武士などが暮らした一帯で、松本家からは藩校で教える学者も輩出しました。建物は幕末ごろに建てられたと考えられ、当時の武士の暮らしを伝える住まいが残っています。
青柳家は、代々芦名氏に仕え、芦名氏が途絶えたあとは佐竹北家に仕えた家です。屋敷を囲む黒塗りの塀には「のぞき窓」が設けられ、入口には1860年の銘が残る門が立っています。角館を代表する武家屋敷として、当時の格式をそのまま伝えるたたずまいです。
3,000坪の敷地に母屋と6つの資料館が点在。刀や甲冑をおさめた蔵、角館出身の絵師が挿絵を手がけた『解体新書』にまつわる展示など、公開されている品はおよそ3万点もあります。見どころが多いので、散策の時間が限られている方は青柳家を優先して回るのがおすすめです。
石黒家は佐竹北家に仕え、1853年に現在の場所へ移ったと伝わる家です。1809年の記録が残る門や茅葺きの主屋、モミの大木や巨石を配した庭などが見どころです。現存する角館の武家住宅のなかでは最も古いとされ、簡素ながらも格式を感じさせるたたずまいが残っています。
武家屋敷を巡っていると、そろそろひと休みしたくなるころ。角館の町なかには、秋田名物を味わえる飲食店が点在しています。きりたんぽ鍋は、つぶしたご飯を焼いたきりたんぽを、鶏肉や野菜などと一緒に煮込んだ郷土料理です。
コシのある麺となめらかな喉越しを楽しめる稲庭うどんも、秋田を代表する名物のひとつ。武家屋敷散策の途中でゆっくり昼食を取り、次のスポットへ向かう前にひと息ついてみてはいかがでしょうか。
仙北市立角館樺細工伝承館は、角館の伝統工芸「樺細工」について学べる施設です。樺細工とは、ヤマザクラの樹皮を使ってつくられる工芸品のこと。館内では、茶筒などの樺細工をはじめ、角館に伝わる工芸品や歴史資料を見学できます。
職人による樺細工の製作実演を見られるのも見どころです。売店では地元の特産品も扱っているため、角館らしいお土産を探すのにもぴったり。武家屋敷通りの散策とあわせて立ち寄ってみましょう。
仙北市立角館町平福記念美術館は、角館出身の日本画家・平福穂庵と、その息子・百穂の作品を中心に展示する美術館です。2人は親子で日本画の世界で活躍し、館内では郷土ゆかりの画家たちの作品も鑑賞できます。
武家屋敷の面影が残る敷地に建ち、落ち着いた雰囲気の建物も印象的です。角館の歴史ある町並みを歩きながら、地域に根付いた芸術や文化にも触れてみてはいかがでしょうか。
武家屋敷通りからほど近い桧木内川堤には、約1,950mにわたってソメイヨシノの並木が続きます。桜の時期には「花のトンネル」と呼ばれる景色が広がり、武家屋敷通りのシダレザクラと並ぶ角館の桜の名所として親しまれています。
桜が植えられたのは1934年。上皇陛下の誕生祝いと堤防の完成を記念し、地元の住民や小中学生が苗木を植えたのが始まりです。樹齢90年を超えた木々は市民の手で守られており、桜の時季の「花のトンネル」はもちろん、花が散ったあとの新緑や、雪に包まれる冬など、季節ごとに異なる景色を楽しめます。
角館の散策を終えたら、この日の温泉宿へ向かいましょう。角館エリアに泊まって、観光の余韻を楽しみながらゆっくり過ごすのもよし、田沢湖方面へ移動して自然に囲まれた温泉宿でくつろぐのもおすすめです。
角館と田沢湖は列車で移動しやすいため、どちらに泊まっても1泊2日の旅程を組めます。宿の雰囲気や温泉、食事などを比べながら、好みに合った一軒を選んでみてください。
2日目はJR「田沢湖駅」を起点に、路線バスや遊覧船で湖畔を巡ります。路線バスは便数が限られているため、事前に時刻表を確認しながら巡るのがおすすめです。
2日目はJR「田沢湖駅」から出発です。駅前から田沢湖畔へは路線バスが運行しており、田沢湖一周線なら所要時間は約12分。乳頭温泉方面へ向かう乳頭線も田沢湖畔を経由するため、湖畔までは車なしでもアクセスできます。
駅構内には、仙北市田沢湖観光情報センター「フォレイク」もあります。バスの時刻表や観光マップを入手できるので、出発前に立ち寄って、この日の運行時刻や巡り方を確認しておきましょう。
「田沢湖畔」バス停を降りると、目の前に田沢湖レストハウスがあります。ここは遊覧船の発着所と路線バスのターミナルを兼ねており、田沢湖観光の拠点として便利です。湖の楽しみ方は、大きく次の2通りがあります。
①遊覧船に乗って湖上から景色を楽しむ
②田沢湖一周線に乗って湖畔のスポットを巡る
田沢湖一周線で、潟尻と御座石神社で散策時間が設けられているのは、日中の3便に限られます。利用する場合は、事前に時刻表を確認しておきましょう。
田沢湖レストハウス前の白浜から出航し、田沢湖を湖上から楽しめるのが田沢湖遊覧船です。1周の所要時間は約40分。船内で辰子姫の伝説を聞きながら、名勝・御座石やたつこ像など、湖畔の名所を眺められます。デッキからたつこ像と一緒に写真を撮るのもおすすめです。
発着所の田沢湖レストハウスには、湖を望むレストランや秋田の名産品を扱う売店もあり、乗船前後の休憩にも便利です。なお現在(2026年8月10日時点)は安全整備点検のため、潟尻桟橋への寄港を中止しています。運航状況は事前に公式サイトで確認しておきましょう。
田沢湖一周線で「潟尻」へ向かうと、湖畔に立つ金色のたつこ像に出会えます。永遠の若さと美しさを願い、湖の神になったと伝わる辰子姫をかたどったブロンズ像で、青い湖を背景にした田沢湖を代表する風景のひとつです。
すぐそばには、白木造りの漢槎宮(浮木神社)があります。湖に流れ着いた大木を祀ったと伝わる神社で、たつこ像とあわせて立ち寄れます。田沢湖一周線で訪れるなら、日中の3便には潟尻で20分の散策時間が設けられているため、2か所を一緒に巡れます。
田沢湖の北側にある御座石神社は、湖畔に立つ朱塗りの鳥居が印象的なスポットです。名前は、1650年に秋田藩主・佐竹義隆が田沢湖を訪れ、この地の石に腰をかけて休んだことに由来すると伝えられています。
鳥居のそばには、1本の木から7種類の木が生えたという「七色木」や、辰子姫が飲んで龍になったと伝わる「潟頭の霊泉」もあります。田沢湖一周線の日中3便では10分の散策時間が設けられているので、あわせて見てまわりましょう。
田沢湖の東側、春山地区に広がる白浜は、その砂の白さから名付けられました。田沢湖の表玄関としてにぎわうエリアで、湖畔をのんびり歩きたいときにも立ち寄りやすいスポットです。
遊覧船乗り場から蓬莱の松までは、約1kmにわたって遊歩道が整備されています。遊覧船や湖畔の名所を楽しんだあと、田沢湖観光の締めくくりにゆっくり散策してみてはいかがでしょうか。
湖畔でのんびり過ごしたら、バスでJR「田沢湖駅」へ戻ります。駅前の「駅前物産館 田沢湖市」で秋田のお土産を探してから、こまちに乗り込むのもおすすめです。
1日目に歩いた角館の城下町と、2日目に巡った田沢湖。趣の異なる2つの風景を思い返しながら、列車に揺られて帰路につきましょう。
角館エリアから田沢湖周辺には、旅の疲れを癒やせる温泉宿がそろっています。観光ルートや温泉の雰囲気、宿での過ごし方に合わせて選べる3軒を紹介します。
角館郊外の自然に囲まれた「角館温泉 花葉館」は、ゆったり温泉を楽しみたい人におすすめの宿です。大浴場には露天風呂のほか、ミストサウナや泡風呂などがそろい、角館観光で歩いたあとの疲れを癒やせます。
客室は和室と洋室、和洋室があり、館内にはレストランや大広間、カラオケボックスなども備えています。食事や温泉を楽しみながら、宿での時間もゆっくり過ごせるのが魅力です。
乳頭温泉郷で最も古い歴史を持つといわれる「鶴の湯温泉」。かつて秋田藩主も湯治に訪れたと伝わり、敷地には警護の武士が詰めていた茅葺き屋根の「本陣」が今も残っています。昔ながらの湯治場の趣を感じられる、歴史ある温泉宿です。
敷地内には、白湯・黒湯・中の湯・滝の湯と呼ばれる4つの源泉が湧き、それぞれ泉質が異なります。ひとつの宿に滞在しながら、趣の異なる温泉を楽しめるのが大きな魅力。乳頭温泉郷ならではの湯めぐり気分を味わえます。
秋田駒ヶ岳のふもとに佇む「田沢湖レイクリゾート」は、自然に囲まれてゆったり過ごせる温泉宿です。「かたくりの湯」と「こまくさの湯」には、それぞれ趣の異なる内風呂や露天風呂があり、朝晩の入れ替えで両方楽しめます。泉質は単純温泉です。
客室は和室・和洋室・洋室がそろい、寝具にもこだわっています。暮れなずむ景色や朝日に照らされた野山を眺めながら、静かな時間を過ごせます。温泉と客室、どちらもゆっくり味わえるリゾートホテルです。
角館と田沢湖は、秋田新幹線や在来線で結ばれた近い距離にありながら、それぞれ異なる魅力を楽しめるエリアです。1日目は黒板塀が続く角館の城下町を歩き、2日目は路線バスや遊覧船で田沢湖を巡ります。車がなくても、歴史ある町並みと湖畔の自然を1泊2日で満喫できます。
角館から入り、田沢湖から帰る今回のような旅には、「JR東日本びゅうダイナミックレールパック」が便利です。行きの着駅と帰りの発駅を別々に設定でき、列車と宿泊をまとめて申込めます。またJRE POINT会員さまは、貯まったJRE POINTを1ポイント=1円としてご利用いただけます。さらにご購入でポイントが貯まります。次の休日は、みちのくの小京都・角館と瑠璃色の田沢湖へぜひ出かけてみてください。
ご利用上の注意事項
【ご利用上のご注意】
・申込完了後の手配内容の変更(日付・プラン内容・列車の時刻や座席・増員や減員等)は一切できません。
・以下の操作を行うと不具合が発生する可能性がございます。
推奨環境以外での操作
複数のブラウザを立ち上げての操作
予約操作画面で「ブラウザの戻るボタン」を利用した操作
・同行者全員が同一行程となります。異なる発着地やプラン内容を1つの申込として手配することはできません。
【ご旅行代金・お支払いについて】
・ダイナミックレールパックは価格変動制を採用しており、需給や市場状況に応じて柔軟に価格が変動いたします。このため、同一の列車・区間、同一の宿泊施設・プランであっても、お申込の時期により金額が異なる場合があります。また、1ヶ月前の列車確定時に旅行代金を再計算するため、乗車日が1ヶ月以上先のお申込の場合、
お申込時に表示していたお見積額と実際の旅行代金が異なる場合があります。
・乗車日が1ヶ月以上先のお申込の場合、利用列車確定時、旅行契約締結前に確定した旅行代金を表示しますので、ご確認の上ご予約ください。
・お支払いはクレジットカード決済のみとなります。
【列車・きっぷについて】
・旅行商品にご利用いただける座席数には制限がございます。一般発売されている座席に空席があっても手配できない場合がございます。
・(契)乗車票は、原則普通乗車券・特急券等との併用はできません。
・シートマップ(座席位置の指定)は乗車日が1か月以内(列車の指定席発売後)の場合のみご利用いただけます(一部列車を除く)。
・新幹線の車イス対応座席等をご希望の場合、ご出発日前日から起算し、土日祝日を除いた10日前までにお申し出ください。満席等の理由によりご希望に添えない場合がございます。 詳しくはこちら
・新幹線eチケットサービス対象外のため、Suica等のICカードとの紐づけはできません。
【その他】
・上記以外のご案内については、びゅうトラベルサイト内「ご利用ガイド」および、操作時の各画面にございます「ご注意」を必ずご確認ください。
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