関東でも屈指の都市であり、観光地としての人気も高い横浜。横浜の街はいくつかのエリアに分かれていて、それぞれ違った魅力があります。旅行で横浜を訪れる際には、それぞれのエリアがどういった場所なのか、また各スポットを巡る際のポイントなどについて把握しておくことで、より充実した時間が送れます。
そこで今回は、旅行の前に知っておきたい横浜のことや、横浜の各エリアの特徴、旅行の際のポイントなどについてご紹介します。
目次
横浜市は、関東地方を形成する県のひとつ、神奈川県の県庁所在地です。神奈川県の東部に位置し、東京湾に面しています。横浜市は神奈川県内で最も大きな市で、その人口は日本の市区町村の中で最大です。それどころか四国地方全体の人口にも匹敵し、47都道府県のうち1府37県を上回っています。まさに、日本でも屈指の大都市です。
横浜市の年間の平均気温は15.8℃で、月平均気温の最高は8月の約26.7℃、最低は1月の5.9℃となっています。これだけを見れば比較的過ごしやすい気候のようにも見えますが、2013年8月や2016年8月には観測史上最高気温となる37.4℃を記録するなど、夏場の気温には注意が必要です。都市部ならではのヒートアイランド現象の影響もあり、平均気温も上昇傾向にあります。夏場に横浜を訪れる際には、暑さ対策はしっかりと考えておきましょう。
横浜の街は今でこそ東日本の大都市として大きく発展していますが、かつては戸数が100ほどしかない小さな寒村だったことをご存じでしょうか。そんな寒村だった横浜村を大きく変えたのが、1854年に締結された日米和親条約と、1858年に締結された日米修好通商条約による横浜港の開港です。
日本が鎖国を解除するきっかけのひとつとなった日米和親条約は、横浜村で締結されました。この条約により、日本は下田と函館という2つの港を開港し、鎖国が終わりを告げました。その4年後の1858年に締結された日米修好通商条約では新たに神奈川、長崎、新潟、兵庫の開港が求められ、翌1859年に横浜が開港されたのです。
横浜港が開港するにあたって、寒村だった横浜村は港町として整備されました。開港によって横浜には、さまざまな国から貿易商や技術者が集まりました。異国の商人や技術者たちは日本人に積極的に協力し、最先端の技術や思想を伝え、それが異国情緒あふれる横浜の街の形成を大いに推し進める結果となったのです。その当時の名残として、横浜には多数の洋館や異国を感じられるスポットが点在しています。
先進的な技術や文化を積極的に取り入れる姿勢は、街の発展に大きく寄与しました。そして1889年には市制を施行し、現在のような大都市へと発展していったのです。
横浜市内はいくつかのエリアに分かれていて、それぞれで違った特徴があります。散策の指標にもなるので、旅行の前にどういったエリアがあるのか大まかにでも知っておくといいでしょう。
新横浜エリアは、JR新横浜駅を中心としたエリアです。新幹線の停車駅であることから、県外からの玄関口となっています。
新横浜エリアには横浜アリーナや日産スタジアムといった競技場があり、スポーツやコンサートなどで活用されています。新横浜ラーメン博物館も、人気のスポットのひとつです。日本だけでなく、世界のラーメン店から10店舗ほどが出店しています。
横浜駅は、横浜市の中心駅です。デパートなどの大型商業施設が多く、観光色はあまり強くありません。しかし、JRだけで4路線など多くの路線が利用できるため、各地への移動に便利であり、何かと訪れることも多いエリアです。
東口はみなとみらいへと続く高層ビルが立ち並ぶなど大都市らしい光景が広がっていますが、西口は昔ながらの路地や店舗も見られる下町然とした雰囲気が感じられます。
みなとみらい21は都心臨海部五地区のひとつで、埋立地に作られた横浜の新しい顔ともいえるエリアです。高層の複合施設であるランドマークタワーを始めとして、商業ビルやオフィスビルなどの高層ビル群が立ち並んでいます。
みなとみらい21にはそうしたビル群だけでなく、赤レンガ倉庫や帆船・日本丸、海風が感じられる公園など、多くの観光・散策スポットがあります。ショッピングやグルメだけでなく、散策も楽しめるのがみなとみらい21エリアの魅力です。
桜木町エリアは、みなとみらい21エリアから桜木町駅をはさんで逆側にあるエリアです。みなとみらい21エリアを大都会とするなら、桜木町エリアは下町。昔ながらの飲食店や公園などが残されていて、温かみが感じられます。
また、桜木町は大道芸の町としても知られています。大道芸ショップがあったり、公園で大道芸人が練習していたりと、いたるところで大道芸に触れられます。
関内駅を中心とした関内・馬車道エリアは、横浜開港時代に作られた歴史的な建造物が今も残されているエリアです。特に有名なのは、キング、クイーン、ジャックという愛称がついている神奈川県庁、横浜税関、横浜市開港記念会館です。この3つの建造物は、横浜三塔とも呼ばれています。
そうした建築物の他にも、復刻されたガス灯があるなど、横浜の歴史が感じられるエリアです。
関内・馬車道エリアが横浜開港時代を今に伝えるエリアなら、元町・山手エリアは外国人居留地として栄えていたことが実感できるエリアです。港を見下ろせる高地に拓かれた山手エリアには、今でも多くの洋館が残されていて、そのうちのいくつかは中を見学できるようになっています。
元町エリアは外国人居留地と関内をつなぐルートにあることから、外国人を相手とした商業エリアとして栄えました。現在もおしゃれな店舗が立ち並ぶことから、多くの観光客が訪れます。
神戸にある南京町と合わせて、二大中華街と称される横浜中華街。世界最大級のチャイナタウンでもあり、世界中から観光客が訪れます。多くの中華料理店や雑貨店がひしめき合っていて、エリア内は活気に包まれています。
中華街を海側に抜けると、人気の観光スポットである山下公園があります。近くには氷川丸や横浜マリンタワーといったスポットもあるので、散策にもぴったりです。
横浜には多くのエリアやスポットがあり、すべて回るのは大変です。満足のいく横浜旅行を行うにはポイントがあるので、事前に確認しておきましょう。
横浜観光の定番は、街歩きです。ひとつのスポットにある程度の時間滞在することはあっても、そこだけで終わるということはありません。散策しながらさまざまなエリア・スポットを巡るのが、横浜観光の醍醐味ともいえます。
そのため、横浜旅行について検討する際には、ある程度歩くことを前提にしておくべきです。特に靴は歩きやすいものを選ぶか、散策用の靴を別に持っていくことをおすすめします。
街歩きが基本の横浜観光ですが、1日に多くのスポットを巡るとなると徒歩だけでは時間が足りないこともあります。幸いにも各エリアにはそれぞれ中心となる駅があるので、電車を使うことで効率よく移動することはできます。しかし、何度も乗り降りをすると、交通費はばかになりません。
そこでおすすめなのが、一日乗車券の活用です。JR東日本では「ヨコハマ・みなとみらいパス」というJR根岸線(横浜~新杉田間)とみなとみらい線が乗り降り自由になる乗車券を販売しているので、これを活用することで交通費を気にすることなく電車を利用できます。
赤レンガ倉庫は、明治末期から大正初期にかけて建設された国の模範倉庫です。1911年に保税倉庫として2号倉庫が竣工、その2年後に日本初となる貨物用エレベーターやスプリンクラーなどを備えた1号倉庫が竣工しました。1989年に倉庫としての使用は終了しましたが、1992年に横浜市が取得し、2002年からは商業施設として生まれ変わりました。
経済産業省が定める「近代化産業遺産」の認定や、「ユネスコ文化遺産保全のためのアジア太平洋遺産賞」の受賞など、世界的にも注目されている施設です。
現在の赤レンガ倉庫には、アクセサリーショップや雑貨店、食品店、飲食店などさまざまな店舗が入っています。倉庫前のイベントスペースでも定期的に多くのイベントが開催されていて、横浜を代表する観光スポットのひとつとなっています。
港の見える丘公園は、横浜港を見下ろせる高台にある公園です。横浜港やベイブリッジを一望できる景色や横浜随一のバラの名所であるイングリッシュローズガーデンも見所です。四季を通してさまざまなバラや草花が楽しめます。
また、港の見える丘公園から続く山手エリアには、かつて外国人居留地として栄えていた頃に建てられた西洋館が数多く残されています。「外交官の家」や「ベーリックホール」など、中を見学できるようになっている西洋館もいくつかあり、当時の生活の様子をうかがえます。
横浜ランドマークタワーは、地上70階という超高層ビルです。みなとみらい21エリアにあり、横浜の今を象徴する建物だといえます。
地下2階から地上5階までは複合商業施設であるランドマークプラザとなっていて、ショッピングやグルメが楽しめるさまざまな店舗が入っています。また、敷地内には現存する最古の石造りドッグ、旧横浜船渠第2号ドックを復元した「DOCKYARD GARDEN(ドックヤードガーデン)」もあります。
横浜ランドマークタワーの大きな見どころのひとつが、69階にある展望スカイガーデンです。横浜の街を一望できる360度の大パノラマは、圧巻の一言。ドリンクや軽食メニューを提供しているスカイカフェもあるので、景色を楽しみながらゆったりとした時間を過ごせます。
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