石川県加賀市の山代温泉は、与謝野鉄幹・晶子や泉鏡花をはじめ、多くの文化人に愛されてきた名湯です。北大路魯山人も山代に滞在して、加賀発祥の九谷焼(くたにやき)を学びました。
今回は、長い歴史と豊かな文化を堪能できる山代温泉の観光スポットをご紹介します。夫婦で温泉情緒を楽しみながら、街を巡ってみてはいかがでしょうか。
福井県と隣接する石川県加賀市にある山代温泉は、同じ加賀市内に位置する片山津温泉や山中温泉と合わせて、加賀温泉郷と呼ばれます。
山代温泉の開湯は、約1300年前にさかのぼると伝えられています。古事記や日本書紀に登場する八咫烏(ヤタガラス)が、山代の湧水(温泉)で羽の傷を癒していたという伝説にちなみ、人々から「烏(からす)の湯」と親しまれてきました。
山代温泉には、昔ながらの温泉情緒が現在も色濃く残っています。山代温泉の代名詞ともいえる共同浴場「総湯」の周りを温泉宿や商店が囲む街並みは「湯の曲輪(ゆのがわ)」といい、江戸時代の温泉地でよく見られた風景です。
また、山代温泉を見下ろす位置には、萬松園(ばんしょうえん)という公園があります。入浴後に、樹齢200年以上の木々が並ぶ公園のなかを散策すれば、江戸時代の湯治客の気分を味わえることでしょう。
多くの文化人がこの地に訪れた足跡が数多く残っている点も、山代温泉の魅力の一つです。例えば、与謝野鉄幹・与謝野晶子夫妻は短歌を詠み、泉鏡花は「夢もおぼろげな山代温泉」と記しています。
山代温泉を擁する加賀市は九谷焼発祥の地としても有名で、北大路魯山人が九谷焼を学ぶために、約半年山代温泉に滞在しました。その仮住まいは「いろは草庵」という名で当時そのままの状態で公開され、仕事場や書斎などを見学できます。
山代温泉へは、JR「加賀温泉」で下車し、車でアクセスするのが良いでしょう。
長い歴史に育まれた豊かな文化などに触れられる、山代温泉の観光スポットを7ヵ所ご紹介します。
山代温泉 古総湯は、山代温泉に2ヵ所ある共同浴場のうちの一つです。明治時代の総湯を復元した建物で、こけら葺きの屋根やステンドグラスの窓が、和洋折衷の風情を醸します。カラフルなステンドグラスから、湯船に光が差し込む様子を楽しめるでしょう。内装も当時の状態を細やかに再現され、浴室の床には九谷焼タイル、壁には拭き漆が施されています。
入浴方法も、かけ湯をして湯船に浸かるだけの当時の「湯あみ」を再現しているため、浴室内にシャワーやカランなどはありません。
山代温泉 総湯は、山代温泉 古総湯との共通入浴券でも利用できる共同浴場です。シャワー・カランが完備されているほか、加水なしの源泉を楽しめます。
設備は近代的ですが、老舗旅館である旧吉野屋旅館の跡地に建てられ、門はそのまま使われているため、湯の曲輪の景観とバランスの取れた外観になっています。
施設内には、温玉ソフトクリームや温泉たまごが販売されている休憩コーナーがあるため、入浴後に一休みできるでしょう。
はづちを楽堂は、山代温泉の服部神社に祀られている天羽槌雄神(あめのはづちをのみこと)にちなんで名付けられた施設です。この施設では、交流イベントや朝市、ミニコンサートなどが開催されています。
敷地内にあるはづちを茶店では、古民家の落ち着く雰囲気のなかで、地元食材を使った食事や甘味、地酒などを味わうことが可能です。また、買い物処である丹塗り屋では、生活雑貨や伝統工芸品、加賀産の食品などを購入できるため、こちらでおみやげを買うとよいでしょう。
九谷焼は、江戸時代前期に当時の九谷村で採取された原材料から焼き物を作ったことで、その地名をとって名付けられたとされている磁器です。
九谷焼窯跡展示館では、国指定史跡である吉田屋窯のほか、加賀市指定文化財の登り窯や古民家など、九谷焼に関する歴史的な展示物が公開されています。
その他に、年に数回開かれる企画展や絵付体験なども楽しめる施設です。
魯山人寓居跡 いろは草庵は、北大路魯山人が大正4年の秋から翌年春までの約半年間を過ごした、老舗旅館「吉野屋」の別荘です。
もともと、魯山人が山代温泉を訪れたのは、山代温泉旅館の看板を制作するためでした。しかし、煎茶仲間かつ九谷焼の窯元でもある須田菁華(すだせいか)から陶芸を教わると、菁華窯に通って陶器の制作に勤しむようになります。
いろは草庵では、魯山人が看板を彫る際に使った仕事部屋や囲炉裏の間、書斎などが、当時そのままの姿で公開されています。
真菰ヶ池は、山代温泉が誇る桜の名所の一つです。毎年4月中旬になると咲き誇る、枝垂れ桜やソメイヨシノを眺められます。
灌漑用(かんがいよう)の池ですが、周囲には遊歩道が敷かれ、散策を楽しむ場として人気を集めています。
開湯から約1300年を誇る山代温泉では、さまざまな伝統文化や食文化が育まれてきました。最後に、代表的なお土産を3つご紹介します。
1つ目は、記事内でも触れた九谷焼です。九谷五彩と呼ばれる、赤・緑・黄・紫・紺青の5色で描かれる鮮やかな絵が魅力です。その他に、緑を効果的に使用する「青手」や赤の色づかいが特徴的な「赤絵」といった様式もあります。
2つ目は、六方焼という和菓子です。江戸時代後期に創業した菓子屋の惣八では、現在も先祖伝来の製法で六方焼が作られています。小麦粉を蜂蜜と玉子で練り、こし餡を包んで焼き上げた六方焼を食べれば、昔ながらの素朴な味わいが口いっぱいに広がるでしょう。
3つ目は、創業80年を超える御菓子司「丸福」の人気商品である、栗っ子です。白餡とともに大粒の栗の甘露煮が丸ごと皮に包まれた栗っ子は、ずっしりと重量感があり、濃いめのお茶と合う素朴な味になっています。
石川県加賀市で約1300年前から人々を魅了し続けてきた山代温泉には、与謝野鉄幹・晶子や北大路魯山人など、多くの文化人の足跡が残っています。昔ながらの風情が漂う、湯の曲輪(ゆのがわ)の街並みで温泉情緒を楽しみながら、加賀・山代で育まれてきた豊かな文化に触れてみてはいかがでしょうか。
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往復列車の発売前に予約をされた段階で提示される料金は、予定金額となり確定の金額ではありません。
そのため、列車のご利用日が繁忙期(GW、夏期・お盆、年末年始、3日以上の連休)に重なる場合は、JRの割引制限等により、確定される旅行代金が予定金額よりも極端に高くなる(例:1名あたり1万円~2万円程度)ことがあり、乗車距離が長いほど変動幅が大きくなります。
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・変更は承ることができません。取消の上、新規予約が必要となります。(取消日により取消料が発生します。)
・東海道・山陽・九州新幹線の特大荷物スペース付き座席は手配できません。
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