美しき四万ブルーの世界へようこそ！有名アニメ映画の舞台、四万温泉周辺を観光しよう

群馬県吾妻郡の四万温泉は、川面がコバルトブルーにきらめく四万川沿いに温泉宿が連なっている温泉地です。

今回は、四万（よんまん）の病を癒す霊泉とも伝えられる四万温泉と、豊かな自然を満喫できる観光スポットをご紹介します。

群馬県にある四万温泉は、西暦700年代から湯治場として人々に親しまれてきました。古文書によると、1681～1684年にはすでに温泉宿が存在し、県内だけではなく江戸からも湯治客が訪れていたと記されています。

四万温泉は、カルシウムやナトリウムを含んだやわらかな泉質が特徴です。県内には草津温泉もありますが、当時は酸性泉である草津温泉の刺激を受けた湯治客が、江戸への帰り道に肌の手入れをする、草津の上がり湯としても知られていました。

四万温泉が良質な泉質と環境を兼ね備えているのは、1954年に環境省から国民保養温泉地の第一号に指定されたことにも表れているといえるでしょう。群馬県の源泉台帳には、四万温泉の源泉として全42ヵ所が登録されています。そのうち39ヵ所は自然湧出、残る3ヵ所は掘削源泉となり、四万温泉は湯量にも恵まれているといえます。

また、四万温泉で300年以上前から温泉宿を営む積善館は、現存する日本最古の木造湯宿建築とされている旅館です。スタジオジブリの映画『千と千尋の神隠し』に登場する、湯屋『油屋』のイメージモデルの一つとしても知られています。積善館の前にかかる赤い橋や、本館玄関のどっしりとした趣に、油屋を重ね合わせる人も多いのではないでしょうか。

なお、四万温泉へは、JR「高崎駅」から吾妻線に乗り「中之条駅」下車、「中之条駅」から関越交通バスに乗り、「四万温泉」下車でアクセスできます。

四万温泉の温泉街は、四万川の上流から日向見、ゆずりは、新湯、山口、温泉口の5つの地区に分かれています。

温泉情緒を感じる街並みから雄大な自然まで、魅力あふれる四万温泉周辺の7つの観光スポットをご紹介します。

四万川上流の日向見地区にある奥四万湖は、近辺のダムによってつくられた湖です。一周は4㎞ほどで、赤沢やすらぎ広場や栂（つが）の広場といった休憩スポットが周辺に点在しています。

奥四万湖の水は、「四万ブルー」とも呼ばれる幻想的な色をしていることから、人気のスポットです。一説には、きれいな水に鉱物などが混ざって織りなされる色ともいわれています。

カヌーツアーなどの水上アクティビティで、光の加減や時間帯によって見え方が変わる四万ブルーを楽しむとよいでしょう。

甌穴とは、数万年という年月をかけて、川底の石が渦巻き状になった川の流れを受けて同じ場所で動き、その摩擦によって岩盤を侵食してできた穴のことです。

四万の甌穴群は、秋鹿橋の下流に大小合わせて8個ある甌穴であり、なかには深さ1.5m、直径2.9mほどのものもあるとされています。1971年には、群馬県指定天然記念物に指定されました。

摩耶の滝は、四万温泉最奥部の日和見川にあります。落差は20mほどで、水量が多いときはその力強いしぶきにより、幻の滝が横に発生するかもしれません。

摩耶の滝には「お不動様の導きで摩耶姫と若者が出会った」という伝説があり、恋愛のパワースポットとされています。

四万温泉のメインストリートである落合通りには、飲食店やみやげ品店のほか、スマートボール場などが立ち並び、周辺には足湯や飲泉所、共同浴場がいくつかあります。

「飲めば胃腸に良く、入浴すれば肌に良い」と古くからいわれてきた四万温泉を、気軽に楽しめるでしょう。

柳屋遊技場は、50年の歴史がある四万温泉唯一の遊技場です。昔懐かしいスマートボールに加え、2022年4月には射的が新設されました。

柳屋遊技場のスマートボールは、長い時間遊べるように1回の玉数を多く設定されていることが特徴です。レトロな曲が流れ、スマートボールの音が鳴り響く店内で過ごせば、こどもの頃にタイムトリップしたかのような気持ちを味わえるでしょう。

日向見薬師堂は1598年に建てられ、全国でも数少ない唐風建築の薬師堂であり、県内最古の木造建築でもあります。1950年には、国指定重要文化財になっています。

日向見薬師堂の薬師如来は、昔から湯治客に「湯前薬師」と敬われてきました。現在では、「救われる」「食べるものに困らない」という意味が込められ、薬師堂にはしゃもじが奉納されています。

四万川は、全長約20kmの一級河川です。上流に四万温泉街を持つ四万川では、奥四万湖と同様に四万ブルーが見られます。

四万川では、四万ブルーの渓流に沿って渓谷を下っていく、キャニオニングなどのアクティビティもあります。

四万温泉には、ご当地グルメもたくさんあります。ここでは、代表的な4つのグルメをご紹介します。

昭和初期の建物を改装した柏屋カフェでは、ノスタルジックな雰囲気に包まれながら、温泉マークカプチーノを楽しめます。

地元でつくられた蕎麦と、北海道産の蕎麦をブレンドして打った十割蕎麦は、のどごしの良さが評判の一品です。四季折々の旬を取り入れたメニューが楽しめます。

デミグラスソースを1週間かけてじっくり煮込んで作るビーフシチューは、観光客だけでなく、地元の人たちからも愛されています。

川沿いに温泉宿が連なる温泉地は全国に多くありますが、眼下に幻想的な四万ブルーの水面が揺れるのは、四万温泉だけではないでしょうか。上信越高原国立公園の豊かな自然と、国民保養温泉地の第一号の指定を受けた泉質、長い歴史のなかで湯治客に親しまれてきた温泉情緒を、四万温泉でぜひ満喫してください。

びゅうトラベルでは、四万温泉へお得に行けるプランをご用意しています。次の旅行の予約ならぜひ、びゅうトラベルをご利用ください。