金沢に初めて行くなら外せない！兼六園の見どころや季節ごとの楽しみ方を紹介

石川県金沢市にある「兼六園」は、「国の特別名勝」にも指定された、歴史ある庭園です。季節を問わず多くの人で賑わう観光名所となっています。

この記事では、兼六園の数多く存在する見どころのなかから特におすすめのスポットや、季節ごとの楽しみ方をご紹介します。園内の散策ルートをお考えの方や、お出かけの時期を迷っている方などは、ぜひ参考にしてください。

金沢市の中心部に位置する兼六園は、石川県を代表する観光名所でありながら、地元の方にも長く親しまれてきた風光明媚な庭園です。

おもに「廻遊式」の要素を採用し、歴代の加賀藩主が長年をかけて造り上げた庭園は、江戸時代の大名庭園の代表格といっても過言ではないでしょう。水戸の「偕楽園」、岡山の「後楽園」と並ぶ「日本三名園」の一つでもあります。

数多くの見どころがある兼六園の園内では、それぞれの季節を彩る花々を眺めたり、野鳥の声に耳を傾けたりしながら、ゆったりと散策を楽しむのがおすすめです。豊かな自然を感じながら、歴史に触れられるスポットも見逃せません。訪れる季節によって景色もがらりと表情を変えるため、何度も訪れたくなる魅力にあふれています。

お出かけの際は、JR北陸新幹線「金沢駅」よりバスをご利用ください。

何度も訪れたくなる魅力にあふれた兼六園。数ある見どころのなかでも、特に見逃せないおすすめのスポットをご紹介します。

兼六園のシンボル的存在の「徽軫灯籠」は、2本脚で立つ、高さ2.67mの灯籠です。

手前にある「虹橋」の曲線が琴に、奥に位置する「徽軫灯籠」は琴の絃（いと）を支える駒に例えられることから、徽軫（ことじ＝琴柱）という名前が付いたといわれています。

「徽軫灯籠」の片脚が浸かっているのは、「霞ヶ池」と呼ばれる兼六園内で最大の池。面積は約5,800平方メートルで、ゆったりと泳ぐ魚や休息をとる鳥たちの姿が見られます。

兼六園を代表する風景かつ、定番の撮影スポットなので、写真を撮るのを忘れないようにしましょう。

四季折々の花を楽しめることから名付けられた「花見橋」。心癒される風景を求めて多くの人が集まる、兼六園内でも特に人気の高い見どころです。

ゆるやかなアーチを描く木製の橋のたもとには、兼六園の名物であるカキツバタをはじめ、サツキ、ツツジ、桜などが、曲水の静かな流れを彩るように咲き乱れます。

新緑や紅葉、雪景色も素晴らしく、どの季節に訪れてもきっと満足できるでしょう。兼六園散策で外すことのできない、おすすめのスポットです。

「霞ヶ池」を水源とする噴水は、人工的な力を加えることなく、水源との高低差を利用した自然の水圧だけで吹き上がることが大きな特徴です。通常の高さは3.5mほどですが、「霞ヶ池」の水位によって変化します。

藩政末期であった文久元（1861）年に、13代藩主の斉泰（なりやす）が造らせたと伝えられ、国内最古の噴水ともいわれる貴重なものです。当時は、金沢城内の二ノ丸に水を引くことを前提とした試作でした。

斉泰は、「霞ヶ池」の拡張や植樹など、庭園の整備に積極的に取り組んだことでも知られています。

散策の途中で一休みしたいときは、「時雨亭」に立ち寄るのがおすすめです。「時雨亭」はもともと、現在の噴水前にあった建物で、客人をもてなす茶の湯に利用されていました。

廃藩のあと一度は取り壊されたものの、新たな庭園の完成に合わせて、平成12（2000）年に当時の姿を復元する形で長谷池のほとりに再建されます。

現在は建物内を自由に見学できるほか、庭園を眺めてゆっくりと休憩することも可能です。

上品な和菓子とともに、抹茶や煎茶も楽しめます。

13代藩主の斉泰が植えたと伝えられる「根上松」は、現在では高さ15mにまで成長した黒松の巨木で、「徽軫灯籠」とともに兼六園の名物となっています。40本以上の根が地上2mほどにまでせり上がり、大地を踏みしめるような力強い立ち姿が印象的です。

あらわになった松の根は、実は意図的につくられたもの。地表付近で根が成長するという松の特徴を利用して、盛り土の上に若い松を植えたのち、根の成長を待って土を除去したといわれています。大変珍しいものでもあるため、ぜひ見逃さないようにしてください。

季節ごとに異なる表情を見せてくれる兼六園は、いつ訪れても異なる楽しみ方ができる魅力ある場所です。何度も訪れたくなる、季節ごとの魅力や見どころ、楽しみ方をご紹介します。

桜は園内のいたるところに植えられていますが、「花見橋」や「桜ヶ岡」「蓮池門通り」などが有名な見どころ。小鳥のさえずりに耳を傾けながら、ゆっくりと散策を楽しみましょう。

桜の見頃に合わせて開催されるライトアップイベントの期間には、兼六園が無料開放されることも。

緑が眩しい夏も、兼六園ならではの魅力にあふれるシーズンです。初夏には、高貴な紫色のカキツバタや可憐なツツジ、サツキなど、徐々に濃くなる緑とのコントラストが美しい鮮やかな色の花々が咲き誇ります。

暑さが増す夏の盛りにも、この時期ならではの楽しみ方ができるのが兼六園の魅力です。園内を流れる曲水沿いや「翠滝（みどりたき）」「霞ヶ池」「噴水」など、涼を求めた水辺の散歩はいかがでしょうか。見た目にも涼しい清らかな流れが、旅の疲れと心を癒してくれるでしょう。

10月頃から色付き始める兼六園の紅葉は、例年11月に見頃を迎えます。一面が秋色に染まる園内で、紅葉散策を楽しみましょう。

数ある紅葉スポットから、代表的なものをご紹介します。

また、秋にもライトアップが実施され、色鮮やかな木々が光に照らされた幻想的な空間が広がります。 

澄んだ空気と真っ白な雪に包まれる冬には、兼六園の風物詩「雪吊り」が見られます。「雪吊り」とは、積雪の重みで樹木の枝が折れるのを防ぐために、木や竹でできた芯柱から放射状に吊った縄で枝を支えるものです。

雪吊り作業が最初に施されるのは、堂々とした枝振りが壮観な「唐崎松（からさきのまつ）」。高さ10m、枝張り26mの立派な黒松には、合計800本のワラ縄が使用されます。

園内では唐崎松を含め、500本以上の木に「雪吊り」が施されるため、雪が降る前から兼六園ならではの冬の風情を感じられるでしょう。

雪が積もる季節には、縄の上に雪が残る貴重な姿が見られる早朝の来園がおすすめです。また、幻想的な世界が広がるライトアップイベントが例年2月に行なわれます。

石川県を代表する観光名所「兼六園」は、風情を感じる数々の見どころと、四季折々の豊かな自然が広がる歴史ある庭園です。「日本三名園」の一つに選ばれていることからも、一度は訪れる価値があるといえるでしょう。

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