白川郷観光モデルコース！車なしで楽しむ1泊2日・日帰り旅

白川郷は、コンパクトな集落のため日帰りでも見どころを十分に楽しめます。ただし、移動を含めるとやや慌ただしくなりがちです。旅をゆったり満喫したい方には、白川郷周辺や金沢、高山での宿泊を組み合わせた1泊2日のプランがおすすめです。

白川郷から金沢まではバスで約85分、高山へも約50分と好アクセス。どちらも本数が多く移動がしやすいため、時間に余裕を持って観光できます。風景の変化を楽しみながら、地域ごとの魅力を味わえるのも、1泊2日の旅ならではの醍醐味です。

白川郷の主要スポットは、1日で効率よく巡れる距離感にまとまっています。ここでは、1泊2日の初日または日帰り旅行にぴったりなモデルコースをご紹介します。

まずは白川郷の全景を見渡せる「萩町城跡展望台」を訪れましょう。かつて中世の山城が築かれていた場所で、台地の西北部は断崖になっているのが特徴です。

緩やかな傾斜の歩道を進み、棚田のスロープを上がると展望台に到着します。眼下には荻町合掌造り集落が広がり、写真好きにはたまらない絶景スポットです。

続いて、白川郷を代表する合掌造りの住宅群を見ていきましょう。いずれも内部の見学が可能で、それぞれ異なる趣と歴史が感じられます。

築300年を超えて今なお生活が営まれる現役の住宅で、国指定重要文化財にも指定されています。白川村随一の規模と、美しい周囲の環境が魅力です。

和田家から分家された家屋で、石川県の宮大工によって1850年ごろ建築されたといわれています。内部構造の完成度が高く、職人技が随所に感じられます。2階・3階部分は養蚕の作業場で、現在は昔使われていた民具等が展示されています。

5層建ての大型合掌造り家屋です。11メートルの一本柱が屋根を支えています。初代から三代目までが医者であったため、医家の歴史を伝える医療道具の展示も印象的です。

集落の中心にある「明善寺庫裡郷土館」は、真宗大谷派のお寺です。本堂や庫裏（くり）、鐘楼（しょうろう）まですべてが合掌造りのまま残っているのは、全国でも珍しいといわれています。

本堂では、京都の東寺や醍醐寺にも作品がある浜田泰介氏の絵を楽しめます。合掌造りの落ち着いた空間の中で、静かに芸術に触れられる場所として人気です。

白川郷のほぼ中央を流れる庄川にかかる「であい橋」は、合掌造り民家園へ向かう途中にある歩行者専用の吊り橋です。

橋を渡った先には「せせらぎ公園」が広がり、敷地内には観光案内所「であいの館」やおみやげ屋もあるので、立ち寄ってみるとよいでしょう。

合掌造り民家園では、県の重要文化財に指定された9棟を含む、25棟の合掌造りを保存・公開しています。主屋のほかに、神社やお寺の本堂、水車小屋などもあり、当時の暮らしの様子が感じられます。

主屋の屋根裏まで見学できるのも魅力で、なかでも山下家は、白川村に現存する数少ない18世紀の合掌造りとして知られているので、ぜひ見学してみてください。

観光の途中、キリのよいところでランチを楽しみましょう。白川郷には、飛騨牛を使った定食や手打ちそばなどを楽しめる、雰囲気のある飲食店がそろっています。お昼時は混み合うことがあるため、少し早めに立ち寄るか、遅めのランチにするとよいでしょう。

合掌造りを活かした喫茶店やカフェも点在しているので、ゆっくり休憩しながら白川郷の空気を感じてみるのもおすすめです。

時間に余裕があれば立ち寄ってみたいのが、村内で唯一の「養蚕」をテーマにした展示館です。合掌造りの民家を活用し、今ではめずらしくなった養蚕の様子が再現されています。

冬季は休館となるため、訪れる前に開館状況を確認しておくと安心です。

美然 ゆめろむ館は、外観も内部も見どころ満載の合掌造り建物です。樹齢800年以上のトチの神木や、地元作家・板谷峰止氏の作品が数多く展示され、一般公開されています。

建物は3階まであり、そのスケール感と迫力に驚かされます。合掌造りの魅力をたっぷり体感できるスポットです。

奥左ヱ門は、大正3年に建てられた伝統的な木造建築です。白川郷ではめずらしく合掌造りではありませんが、その柱の一部には、合掌造りで使われていた木材が再利用されています。

書院座敷のある漆喰壁や、彫刻風のガラス窓、井波彫刻が施された欄間など、細部の意匠も見ごたえ十分。大正〜昭和に使われていたレジや棚なども展示され、懐かしい雰囲気が感じられます。

旅の最後に余裕があれば、「白川郷の湯」に立ち寄るのもおすすめです。露天風呂からは庄川の景色が広がり、四季ごとに違った表情が楽しめます。

天然温泉ならではのやさしい湯は、体の芯から温まり、旅の疲れをやさしく癒してくれます。観光の締めくくりに、ほっと一息つける贅沢なひとときを味わってみてください。

観光を満喫したあとは、白川郷バスターミナルから帰路につくか、次の目的地へ移動しましょう。日帰りなら、夕方発のバスで高山や金沢、富山へ戻るのが一般的です。

1泊2日の旅の場合は、白川郷でそのまま宿泊するか、バスで翌日の観光地である高山もしくは金沢へ移動します。旅のスケジュールや好みに合わせて、無理のない移動計画を立てましょう。

白川郷と組み合わせて一泊二日の旅を楽しむなら、まずおすすめしたいのが金沢です。城下町の風情が色濃く残る街並みや、美術館・庭園など見どころが多く、歴史と文化を感じる散策が楽しめます。

ここでは、白川郷のあとに訪れたい金沢観光のモデルコースをご紹介します。なお、市内をめぐるには「城下まち金沢周遊バス」が便利なので、活用するのがおすすめです。

石畳の道に町家が並ぶ「ひがし茶屋街」は、金沢らしい風情を感じられるスポットです。加賀藩の時代から続く伝統や芸術文化が息づくこの一帯は、重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。

建物の多くが伝統的建造物で、街歩きの楽しさも格別です。おしゃれなカフェや甘味処、センスの光るお土産屋さんもあり、歩くだけで気分が華やぎます。

兼六園は、岡山の後楽園、水戸の偕楽園と並ぶ「日本三名園」のひとつです。江戸時代につくられた庭園で、池や築山をめぐる林泉廻遊式の美しさが魅力です。

春の桜、秋の紅葉、冬の雪景色と、いつ訪れても違う表情に出会えます。金沢観光の中心として、一度は訪れたい名園です。

金沢21世紀美術館は、見て・触れて・感じる現代アートが魅力の人気スポットです。誰もが気軽に立ち寄れる開かれた美術館として、国内外から多くの人が訪れています。

屋外や館内には体験型の作品が並び、感性を刺激する展示がいっぱい。おしゃれなミュージアムショップやレストランもあるので、時間にゆとりをもって訪れるのがおすすめです。

長町武家屋敷跡は、土塀や石畳の小道が残る歴史あるエリアです。豪壮な武家屋敷が立ち並び、伝統環境保存区域にも指定されていて、今もなお風情ある町並みが守られています。

冬には、土塀を守る「こも掛け」が施され、金沢の冬の風物詩として観光客にも人気です。鞍月用水沿いには割烹やカフェも多く、散策ついでに立ち寄れる楽しみもあります。

観光を満喫したら、旅の終点・金沢駅へ向かいましょう。北陸新幹線を使えば、金沢から東京までは最短で約2時間半。アクセスもスムーズです。

駅構内にはお土産店や飲食店もそろっているので、帰りの列車までショッピングを楽しむのもおすすめです。

白川郷と組み合わせて一泊二日の旅を楽しむもうひとつの選択肢として、ぜひおすすめしたいのが高山です。

白川郷からはバスで約50分とアクセスもよく、「飛騨の小京都」と呼ばれる歴史ある町並みが魅力です。ここでは、高山の見どころを巡るおすすめモデルコースをご紹介します。

高山駅から徒歩約10分、清流・宮川のほとりで約700メートルにわたって毎朝開かれるのが「宮川朝市」です。季節の野菜や漬物、民芸品などが並び、地元の人とのあたたかい交流も楽しめます。

春の山菜、夏の野菜、秋の果物、冬の保存食と、四季ごとの味覚も魅力の一つ。朝の散策をかねて、ぜひ訪れたいスポットです。

江戸時代の商人町の風情を今に伝えるのが「古い町並」です。出格子の美しい町家や造り酒屋が並び、まるで江戸時代に迷い込んだような情緒ある景観が広がります。

飛騨牛の握りやみたらし団子、地酒の試飲などグルメも充実しています。飛騨春慶塗や一位一刀彫といった伝統工芸のお店や、古民家カフェも点在しており、ぶらぶら歩くだけでも楽しい、魅力あふれるエリアです。

標高686.6mの高台にある高山城跡は、かつて「日本に並ぶものなき城地」と称された名城の跡地です。現在は城山公園として整備され、歴史と自然が調和した憩いの場となっています。

城跡には石垣が残されており、当時の面影を感じさせます。園内では四季の花や約80種の野鳥が見られ、遊歩道を歩きながら自然と歴史を同時に楽しめます。

江戸時代の代官所として唯一現存する高山陣屋は、飛騨国を治めた幕府の役所でした。御用場や吟味所、代官の住まいなど40の部屋が保存され、当時の政治や暮らしぶりを今に伝えています。

説明員の案内を聞けば、建物の構造や装飾の細部もより深く理解できます。高山の歴史を肌で感じられる、貴重なスポットです。

観光を終えたら、高山駅から帰路につきます。東京方面に向かう場合は、名古屋駅までは特急ひだで、名古屋からは東海道新幹線に乗車しましょう。

車窓から移りゆく風景を眺めながら、旅の余韻を味わうのもおすすめです。

最後に、白川郷と金沢・高山観光で宿泊するのにおすすめの宿を紹介します。

白川郷周辺での宿泊におすすめなのが「天然温泉 ゆるりの湯　御宿 結の庄」です。館内の「ゆるりの湯」では、肌ざわりのよい天然温泉を堪能でき、湯上がり後も体がぽかぽかと温まります。大浴場のほかに2つの貸切風呂もあり、ゆったりとした時間が過ごせます。

客室は和の落ち着きと洋の快適性を備えており、夕食は飛騨の郷土料理を中心に山海の幸を厳選してご提供。湯上り処ではアイスや夜鳴きそばも楽しめます。

金沢駅から徒歩1分の立地にある「ANAクラウンプラザホテル金沢」は、観光にもビジネスにも便利な滞在拠点です。400年の歴史と文化が息づく金沢で、伝統と現代が調和する街の魅力を体感できるホテルです。

館内では、四季折々の美食や心を尽くしたおもてなしを堪能できます。金沢らしさを感じる洗練された空間で、特別なひとときをぜひお過ごしください。

JR金沢駅兼六園口から徒歩4分と便利な立地にある「ホテル・トリフィート金沢」は、洗練された雰囲気が魅力のホテルです。館内には大浴場「こっとりの湯」を備え、観光の疲れを癒せます。

四季折々に表情を変える金沢の街並みを散策したあとは、落ち着いた空間でゆっくりと滞在を楽しみましょう。

JR高山駅から徒歩5分、自家源泉を持つ「ひだホテルプラザ」は便利な立地と温泉が魅力です。開放感あふれる湯処ではアルプスの山々や高山の街並みを眺めながら、心も体も癒されます。

食事は旬を味わう料理がそろい、和室・洋室・和洋室ともに多彩なタイプから選べるのも嬉しいポイント。星空を見上げながら楽しむ天然温泉は、旅の思い出を一層深めてくれるでしょう。

「東急ステイ飛騨高山 結の湯」は、飛騨高山の素材や職人の技を活かした客室が魅力のホテルです。モダンとクラシックの2タイプがあり、客室によっては洗濯乾燥機を備えています。

檜と石の庭園温泉大浴場や貸切露天風呂で、四季の風景とともに贅沢な湯浴みを楽しめます。高山での時間がより思い出深いものとなり、旅の記憶を語りたくなるホテルです。