熱海観光モデルコース！車なしで楽しむ1泊2日の温泉と絶景プラン

熱海は、首都圏からのアクセスがとても良好な温泉地です。東京駅から東海道新幹線「こだま」に乗れば、約45分で熱海駅に到着します。のんびりとした列車旅を味わいたい方には、特急踊り子号もおすすめです。約80分の乗車で、景色を眺めながらゆったり熱海に向かえます。

どちらも乗り換えなしでアクセスできるため、移動の負担が少なく、日帰りや週末の小旅行にぴったりです。

熱海の大きな魅力は、目の前に広がる相模湾の絶景と、名湯・熱海温泉の両方が楽しめること。日本三大温泉にも数えられる熱海温泉は、湯量が豊富で泉質も多彩です。露天風呂のある海沿いの宿なら、潮風を感じながら湯に浸かるぜいたくを楽しめます。

新鮮な魚介を使った海鮮グルメも豊富です。海を眺めて潮騒の音を聞き、湯に癒され、味覚も満たされる。海と温泉を五感で満喫できるのが、熱海の魅力です。

熱海は、季節の移ろいを感じながら観光できるのも魅力のひとつです。早春には梅まつりが開催され、秋には市内各所で紅葉が見られるなど、訪れる時期ごとに異なる表情を楽しめます。

また、温泉街をのんびりと歩くだけでも、湯けむり漂う風情や街の活気にふれられます。昭和レトロな雰囲気を残す商店街や、歴史ある老舗旅館なども点在しており、どこか懐かしい気持ちにさせてくれるのも、熱海ならではの魅力です。

熱海観光1泊2日の初日は、熱海観光が初めての方にもおすすめの定番スポットをめぐりましょう。

東京駅から東海道新幹線「こだま」で約45分、または特急踊り子号で約80分。車窓に海が見えてくると、もうすぐ熱海駅に到着です。

駅ビル内には熱海観光案内所があり、地図やパンフレットを手に入れるのに便利です。まずは立ち寄って、観光の全体像を把握するとよいでしょう。駅前には足湯やお土産店もあり、到着した瞬間から温泉地らしい雰囲気に包まれます。

明治時代から多くの文豪たちに愛されてきた熱海の歴史を語るうえで欠かせないのが、尾崎紅葉の小説『金色夜叉』に登場する主人公「貫一・お宮」です。物語にちなみ、熱海海岸には「お宮の松」と「貫一・お宮の像」が並び立ち、定番の観光写真スポットとして人気を集めています。

この周辺は「ジャカランダ遊歩道」として整備されており、5月から6月にかけては、南米原産の樹木ジャカランダが紫の花を咲かせ、幻想的な風景が広がります。文学と花の名所を同時に楽しめる、熱海らしい立ち寄りスポットです。

熱海駅から徒歩圏内にある熱海サンビーチは、南国のリゾートを思わせる景観が魅力の人気スポットです。全長約400メートルの白い砂浜に青い海、ヤシ並木が続く光景は、海外の高級リゾートを思わせます。

夏は海水浴を楽しむファミリーやカップルでにぎわうこのビーチは、朝は水平線から昇る朝日、夜には世界的照明デザイナー石井幹子氏による幻想的なライトアップを楽しめます。7月下旬から8月には海上花火大会も開催される、ぜひ訪れたい熱海の名所です。

かつて熱海観光の中心地としてにぎわった銀座通りには、今もどこか懐かしい風景が広がります。商店街の入り口には、1975年まで銀行だった重厚な建物を活用した熱海商工会議所があり、昭和の趣を色濃く残しています。

通りを歩けば、干物を吊るす魚屋やレトロな喫茶店、老舗の食堂などが並び、どこかほっとする日本の原風景に出会えるのが魅力です。近年は、地元食材を活かしたカフェやスイーツ店、旅人と地元の人が交流できるゲストハウスも登場し、古さと新しさが共存する、散策とランチにぴったりのスポットです。

大正8年（1919年）に別荘として建てられた起雲閣は、「熱海の三大別荘」と称された名邸のひとつです。昭和22年（1947年）には旅館として生まれ変わり、山本有三や志賀直哉、谷崎潤一郎、太宰治など多くの文豪に愛されてきました。

現在は熱海市の文化財として一般公開されており、緑豊かな庭園と、和洋折衷の建築が訪れる人を魅了します。本館や離れは日本建築の美を残しつつ、洋館には中国やヨーロッパの様式も取り入れられ、独特の雰囲気をまとっています。歴史と文化が息づくこの場所で、静かなひとときを楽しみましょう。

歴史にふれたあとは、アタミロープウェイ山麓駅から、約3分の空中散歩を楽しむのがおすすめです。乗車中は、熱海の街並みが次第に小さくなり、空と海が広がるダイナミックな景色に圧倒されます。

到着する八幡山山頂には、熱海屈指の展望スポット「うみそらテラス」があります。晴れた日には房総半島や三浦半島、初島、伊豆大島まで見渡せる絶景が広がります。「うみそらカフェ」でひと休みしたり、「あいじょうモニュメント」や「恋みくじ堂」に立ち寄りましょう。絶景を堪能したら、次は「熱海城」へ向かいます。

錦ヶ浦山頂に建つ熱海城は、地上43メートル、海抜160メートルの高さから360度の大パノラマが楽しめる絶景スポットです。天気がよければ、初島や伊豆大島、伊東方面まで一望できます。

館内には、鎧や刀を展示する武家文化資料館や浮世絵春画館、江戸衣装の着付け体験、無料ゲームコーナーなど、大人から子どもまで楽しめる多彩なコンテンツが充実しているのも魅力です。屋外には、海抜120メートルから海を望めるジェット足湯もあり、景色とともにリラックスした時間を過ごせます。

2日目は、熱海の自然や歴史、アートにふれられるスポットをめぐります。海の景色や緑に癒され、文化にふれることで旅の満足度もいっそう高まるはずです。観光の締めくくりにぴったりな、落ち着いた1日を過ごしましょう。

熱海の海を望む丘陵地に広がる「ACAO FOREST」は、20万坪の敷地に13のテーマガーデンが点在する壮大な花の楽園です。バラやハーブ、宿根草など季節ごとに異なる花々が咲き誇り、訪れるたびに新しい景色に出会えます。

園内には、隈研吾氏設計のガラス張りのカフェ「COEDA HOUSE」や、フォトスポットとして人気の「オーシャンガーデン」、歴史ある曽我浅間神社なども。ハーブを使ったオリジナルアイテムを作る体験施設もあり、自然と文化を一度に楽しめます。

来福・縁起の神として古くから信仰を集める來宮神社は、熱海随一のパワースポットとして知られています。本殿横にそびえる樹齢2100年を超える国指定天然記念物の大楠は、御神木として圧倒的な存在感を放ちます。

この大楠の幹を一回りすると一年寿命が延びると伝えられ、長寿や病気平癒、健康祈願を願う参拝者があとを絶ちません。また、願いごとを胸に秘めたまま一周すると叶うともいわれています。境内には茶寮がいくつかあるので、落ち着いた空間で一息つくのもおすすめです。

熱海を代表する文化施設「MOA美術館」には、東洋美術を中心に、国宝や重要文化財などを含む数々の名品が収蔵されています。さまざまな展覧会が順次開催されており、何度訪れても新たな出会いがあるでしょう。

美術館は7万坪の広大な高台に位置し、ロビーや屋外のムア広場からは初島や伊豆大島を望む絶景も楽しめます。四季折々に表情を変える庭園も併設されており、アートと自然を同時に堪能できる、熱海観光に欠かせないスポットです。

熱海駅前には、「平和通り」と「仲見世」の2つの商店街があり、創業60年を超える老舗から個性豊かな新しい店までが並んでいます。大型のショッピングモールとは異なり、小さな店舗が軒を連ねる通りは、日本ならではの買い物風景を楽しめるのが魅力です。

レストランや寿司店、干物屋に加え、伊豆の特産品を扱う土産店も充実。温泉まんじゅうを食べ歩きしながら散策すれば、旅情たっぷりの時間が過ごせます。帰路につく前に立ち寄って、お気に入りのお土産を探すのにぴったりです。

旅の最後は、熱海駅へ戻って帰路につきます。待ち時間にお土産を買い足したり、カフェで軽く一息ついたりするのもおすすめです。1泊2日の間に撮った写真を振り返れば、海や温泉、街歩きでの思い出がよみがえり、旅の余韻をより深く味わえるでしょう。名残惜しさを胸に、次の旅への期待をふくらませながら列車に揺られる時間も、熱海観光の大切な一部です。

ここでは、本記事のモデルコースにぴったりの宿を、3つ厳選してご紹介します。

※記事で紹介している宿泊施設のサービス等は変更になることがあります。最新情報はプラン詳細ページや施設公式サイトなどをご参照ください。

スローな時間が流れる非日常の大人空間が広がる「ホテルニューアカオ」。館内は落ち着いた雰囲気に包まれ、パノラマビューの絶景ラウンジや、静岡の旬の食材を使った料理で、ぜいたくなひとときを過ごせます。

クジラのアートや天井のフレスコ画、純白の壁面など、美術館のようなデザインも心をくすぐるポイントです。さらに、海と空を一望できる天空の露天風呂をはじめとする12種類の湯が楽しめ、時の流れを忘れる癒しの時間を堪能できます。

「熱海後楽園ホテル」は、青い海と煌めく街並みを望むリゾートホテルです。相模灘を一望できる大展望風呂は敷地内の源泉を使用しており、昼は海のパノラマ、夜は輝く夜景を眺めながら、心身を癒す湯浴みを堪能できます。泉質は保湿効果の高い「塩化物泉」。湯上がり後もしっとり感が続くのが特徴で、乾燥肌が気になる方にもおすすめです。

館内では、地元の食材を活かした料理や、リゾートらしい開放感あふれる空間で非日常を味わえ、日常の喧騒を忘れて記憶に残るひとときを過ごせます。

「湯宿一番地」は、熱海駅から徒歩約3分という抜群の立地にありながら、今も変わらぬ湯宿ならではのおもてなしが息づいています。古き良き熱海の風情を感じさせる客室や館内には、民芸玩具や懐かしい雑貨が置かれ、手遊びに興じたり、思い出に浸ったりと、心がほどける時間を過ごせます。

館内には2本の自家源泉を引いています。広々とした大浴場や趣の異なる露天風呂、プライベートに湯浴みを堪能できる貸切露天風呂など、上質な熱海の湯を心ゆくまで味わいましょう。